『アルゴリズム実技検定 公式テキスト』を読みました。よかった。
さっちゃん(twitter: @toshiakisan1127)です。
アルゴリズム実技検定(以下PAST本)を手を動かしながら読みました。とても面白く、買ってよかったです。
よかったと思う点
- 解説がわかりやすい
- 理解しやすい実装
- アルゴリズムの導入が丁寧
- 読んでいて面白い
解説はとても分かりやすいです。蟻本は初見ではわからないことが多いのですが、本書は少しずつ読み進めればほとんど理解できました。(簡単というわけではない。)
ダイクストラや巡回セールスマン問題などは分かっているつもりで本番ではコピペすることが多かったのですが、本書を読んで自分で手を動かして書いているとどこが本質的なのか分かるようになり、ソラで書けるようになりました。「理解したな」と思ったら本を閉じて最初から問題を解いてみると理解が深まっていいかと思います。
また進めていく中で、ある問題に対して今までで既出のアルゴリズムは何故使えなくて、じゃあどうすればいいかというストーリー性を持って学べるので飽きずに楽しめました。特に、幅優先探索からダイクストラに移る時の説明はいいなーと感心しました。
今までのアルゴリズムを組み合わせて上級の問題を解いてみる7章は、強い人の頭の中を覗き見たような面白さがありました。
よくないと思った点
- 初版なのでまだ誤字がある
- もっと多くのアルゴリズムを解説してほしい
誤字は仕方ないですね。しかしながら致命的なものではないので普通に読んでれば困ることはないと思います。物理の本を読んでいる時は3日考えてたら「それ誤字やで」って言われたりはよくありました。
また、本書でカバーしているアルゴリズムの範囲はそんなに広くないと思っています。AtCoder 茶色上位以上の方であれば知らないアルゴリズムはほとんどないかと思います。私(茶色上位)の場合は最小全域木は知りませんでしたが、他は知っていましたし問題でも使ったことがありました。ソラで書けるほど理解していませんでしたので読んだ価値はありましたが。
このとても良い解説で蟻本に載っているような他の典型アルゴリズムを見たいです。要するに続編【中級〜上級編】希望ということです。でもレベルが上がると読みたい人が減るので出ないでしょうね。800ページくらいあっても構わないよ私は。
誰が読むといいか
AtCoderのレートで言うと 100 から 1000 くらいまでな気がしています。
100以下の人はさすがに、まずはアカウント作ったり入力の仕方を身につけたりしたほうがいいんじゃないでしょうか。1000以上なら本書の内容は深く理解していると思うので買うなら 7 章目当てになると思います。値段もそこそこするので、本屋で立ち読みして決めたらいいんじゃないでしょうかね。一番向いていると思うのは茶色の人で、新しいアルゴリズムもありつつ知識も整理したり、「強い人ってこうやって思考するのかー」みたいなことを感じられるのでおすすめです。
お気持ち
緑いきたいよー。